昨日は、今年度最後のセミナーでした。
主催の東商千代田支部様の集客力が、すばらしくてびっくりしました。
それでもリアル開催時の2/3とのこと。オンラインセミナーは競争激化していますからね。
千代田区は、毎週東京都の経営相談窓口でお世話になっていたり、初めて事務所を借りたのも千代田区だったりと所縁のある区です。
美味しい飲食店も多くて思い出も多い。お客様もいらっしゃいます。お役に立てて嬉しかった。

全国各所で桜が開花しているようです。
来週、4か月ぶりに愛知県豊田市へ帰省しますので、豊田市でお花見をしたいと思っています。

さて、今日は、私が経営の要諦を学んでいる稲盛和夫さんの文章のまとめを掲載します。

新しい産業の芽生えがいかに経済社会に多大で有益な影響を及ぼすかについて、実例をもとにお話しされた。
京セラの創業時、ファインセラミック技術を基に、様々な製品の開発、事業化を図っていました。
しかし、日本の大企業は、京セラのような新興弱小企業をないない相手にしてくれなかった。
そこでアメリカの先進的な企業に採用してもらうべく、アメリカに売り込みに行った。
その時に行き当たったのがフェアチャイルド社だった。フェアチャイルド社では、
シリコントランジスタ用の性能の良い絶縁部品を必要としていたため、京セラとの取引が始まった。
当時のシリコンバレーは、のどかな農村地帯だったが、現在のシリコンバレーは「半導体メッカ」
「ベンチャーの総本山」と言われています(2000年当時)。
コンピューターをはじめ現在の情報化社会を構成するほとんどの機器は、半導体に依存している。
また、通信分野において脚光を浴びるモバイル通信や光通信もすべて半導体の賜物である。
つまり、現在の高度情報通信会社は、すべて半導体技術に依存している。源流をたどれば、
フェアチャイルド社がトランジスタを作るために、ベル研の研究者たちを迎え入れ、
新しい事業を開始したことに帰結する。
わずか半世紀で人類が新たな産業革命ともいうべき大きな変貌を遂げていく、この歴史的な事件も
「新産業を創出する」という、一企業の行動に端を発している。
京セラがファインセラミックスという新しい材料を開発したことで、
半導体産業におけるセラミックICパッケージ、自動車産業、光通信などの大容量ネットワークの
製品化に貢献していることも、ベンチャーを興すことが経済社会にとって大きな影響を与えることを表している。
しかし、現代の日本は開業率が低く、「寄らば大樹の陰」の傾向が強く、
ベンチャーを興すことは中小零細企業を起こすことと同義となっている。
ベンチャーが生まれ、ベンチャーが育っていくことが大切だと考えるならば、企業が国家社会を成立させるために
いかに重要なのかということを、改めて国民が認識すべきと思う。
そのために国民を啓もうし、教育することが大切なことではないかと思う。
日本の企業の99%以上が中小企業であり、我々の活動が国家基盤を支えていることに誇りを持つことが重要。

ベンチャーを成功させることのできる経営者とは

  • 独創性と綿密さを併せ持つ人
  • 大義名分を目的として明確に打ち出せる人
  • 緻密な目標を建てられる人

日本ではベンチャーキャピタルの環境が飛躍的に好転している。
次に待ち構えているIPOという難関では徹底したディスクロージャーが求められる。
上場は花道でもなければ終わりでもない。上場がビジネスのスタートラインである。
上場を果たし、得た富は、周囲のお陰だと考え、社会のために還元していくようにしてほしい。
そうすれば、社会の企業人を見る目が変わってくるに違いない。

日本が今後とも経済発展を続け、多くの国民の幸福を実現していくには、
たくさんのベンチャーが起業され、新しい産業を創出する必要がある。
そのためにも、我々経営者が率先垂範し、日本の社会を、美しく豊かで潤いのあるものに変えていかなければならない。

以上「盛和塾」機関誌39号塾長講和より

世界の人々に春がきますように。