日曜日の昼下がりに自宅から書いています。
大寒を迎え、文字通り寒い日が続きます。
寒がりですので、暖房を節約すると風邪をひくため、あまり気にせず電気を使っています。
電気代が恐ろしいですね。
恐ろしいですが、ウクライナの人のことを思えば、電気代で済めば安いものです。

先日、ニュースで紹介されていた「ウクライナ戦争」(ちくま新書)を読みました。
ロシアによる侵攻が始まり1年となり、この戦争を総括する書籍が発刊されてきたとのことです。
それで私も1冊手にとってみました。
なぜこの戦争が起きたのか、先の戦争との違い(あるいは違いがないこと)などが資料に基づき
説明されています。最後に「この戦争をどのように理解したら良いか」について論じられていました。
要約すると、私たち民主主義国家に住む日本人は、この戦争を他人事と思わず、
できる範囲でウクライナを支援することであると記されていました。
この戦争でロシアが勝利すれば、大国が小国を侵略することが正当化されてしまうのだとも。

この戦争が始まってから、なかなか自分の気持ちが整理できないでいましたが、
この1冊の本を読んだことで気持ちが整理されました。
いま自分にできることが未来の平和につながるのだと。
だから、電気代が高くなっても、物価が高くなっても、別のどこかで節約したり、
その分稼ごうと努力すれば良いのです。
なんの罪もないのに命の危険にさらされている人々のことを思って。

さて先週は、県外への出張を開始しました。
新型コロナウィルスは今年の5月8日に5類に移行することが決まりましたね。
徐々に経済の回復に繋がることを祈ります。

久しぶりに今回は、稲盛和夫さんが中国の経営者に向けた講和で、機関誌48号(2002年8月号)より。

・中国の経済発展について-企業経営の側面から
中国の企業は、WTO加盟という試練を克服して成長発展を続け、今後も飛躍的な経済発展を遂げていくと考えている。2010~2015年頃には、中国は経済先進国の一員として、世界の経済社会の中で、大変大きな役割を果たされると考える次第です(実際に、中国は2010年に、日本に代わりGDP世界第二位となった)。
しかし、国家であれ、企業であれ、成功を長く維持することは難しい。一つ目の理由は、企業が歴史を重ね、次第に規模拡大することで、形式主義や官僚主義が染みつき、活力を失うことが多いこと。二つ目は、経営管理体制の不備である。今回は、この経営管理体制の七つの原則について講和する。

  • キャッシュベース経営の原則

近代会計学では「発生主義」に基づく会計処理が多いが、これは、キャッシュ(現金)の動きと直結しなくなり、損益計算書では利益が出ているのにキャッシュが不足するという事態が起きる。手元のキャッシュを可能な限り増やす経営がキャッシュベース経営である。

  • 一対一対応の原則

品物やお金の動きと伝票が常に一対一となるようにすること。これは「原則に徹すること」であり、社内のモラルを高め、不正を未然に防ぐことができる。

  • 筋肉質経営の原則

会社にとっての筋肉とは「人」「モノ」「金」「設備」という売上と利益を生み出すもの。一方で、売上や利益を生み出さない資産や在庫、過剰な設備は“贅肉”である。筋肉質経営をするために、京セラでは、たとえば「当座買い」を原則としたり、設備投資は慎重にしたり、中古にしたりするなど、様々な工夫をしている。また、浮利を追う投機を戒めてきた。

  • 完璧主義の原則

研究開発や製造現場で完璧な仕事が求められるのと同様に、管理部門や営業部門の資料作成にも完璧を求める。

  • ダブルチェックの原則

あらゆる伝票処理や入金処理を複数の人間で行うもの。「ダブルチェックの原則」は、間違いの発見や防止のためだけでなく、人が罪を作らない仕組みを作ることで、人を大切にする職場を作ることが目的。

  • 採算向上の原則

「アメーバ経営」という、肥大化していく組織を小さく分割し、それぞれの組織が主体性をもって事業を展開できるようにしたもの。「アメーバ経営」とは、社員一人一人が自分の目標を明確に把握し、それぞれの持場・立場で、目標を達成するために、自発的に努力を重ねることができる、全員参加型の経営システム。

  • ガラス張り経営の原則

トップが社員に、会社の現況、課題、目指すべき方向を正しく知らせることで、社員のベクトルを合わせ、持てる力を結集すること。持てる力を結集しなければ、
高い目標を達成することはできない。また、「ガラス張り経営」で大切なことは、トップ自らが率先垂範し、公明正大に業務に従事する姿勢を貫くこと。

これは、成長が著しい中国の経営者たちに対して、経営管理体制の七つの原則についての講和です。
文中に書いたように、実際に、中国はこの後も著しい発展を遂げ2010年に、日本に代わりGDP世界第二位となりました。
その後も大きく差をつけられ、電気自動車やIT分野などの成長分野で先端を行きます。稲盛氏の先見性は鋭いと感じます。

ではまた。もうすぐ立春ですね。少しずつ春が近づいています。
どうぞお元気でお過ごしください。