日曜日の朝の自宅から書いています。
連休明けの今週は、沖縄出張からスタートしました。
初日は那覇、2日目は宮古島です。
宮古島と東京の距離は1800km。
最近ことのほか出張回数が多く、移動距離が長いため
少々身体に堪える日々です(笑)
最近スマホにJALアプリをインストールしたのですが、
今年に入り飛行機に乗ったのは22回でした。

しかし以前は海外出張も多く、モンゴルやアフリカなどに行きました。
その時のことを思えば近いものですね。

さて、しばらく止まっていた稲盛和夫さんの講和から。
機関誌54号(2003年8月号)より。

・試練を通じて成長する

人生を終えるときに、立派な人格者と、そうでない人の違いは、自らを磨き人格を高めることができたかどうかであると考えている。どのようにして自分を磨くか。塾長は「試練」を経験することが人間を大きく成長させてくれるチャンスになると考えている。実際に、偉大なことを成し遂げた人で、試練に遭ったことがないという人はいない。

西郷隆盛は、親友の僧月照を犠牲にして自分だけ助かってしまったことや、遠島という不遇を二度も経験している。しかし、そのような逆境の中でも、耽読などして自分を高める努力を怠らなかった。苦難に耐え、むしろ苦労を糧として、人格を磨く努力をひたむきに続けた。その後、島を出た西郷は、高潔な人格と見識を備えた人物として信望を集めた。

苦難に直面した時、打ち負かされて夢をあきらめてしまったり妥協をするのか、苦労を苦労と思わず努力を重ねることができるかが、人間として成長できるかの分岐点である。

「試練」とは一般的な苦難だけでなく、成功も天が与えた厳しい「試練」である。人生は大小さまざまな苦難や成功の連続であり、いずれもが「試練」である。いずれの「試練」に遭遇しても、決して自らを失わないようにしなければならない。つまり、苦難に対しては真正面から立ち向かい、成功に対しては謙虚にして奢らず、真摯に努力を重ねること。

現代の混迷した社会を思う時、私たち一人一人が、どのような環境に置かれようとも、自らを磨き努力を続けることが、一見迂遠にみえても、社会をより良いものにしていくと信じている。

【感想】

稲盛和夫さんの講和では「成功も試練」という言葉が繰り返されます。今回気づいたのは、この言葉が個々の経営者に対して言い聞かせられているのではなく、日本という、高度経済成長を遂げた「成功の試験」について書かれているように感じらました。日本は成功に奢り、努力を怠っているのではないか、という警鐘を国民に対して鳴らしているのではないでしょうか。私も、数年前まで、世界をパンデミックが襲うことや、ヨーロッパで戦争が起こることなど想像もしていませんでした。世界が劇的に変わったことで、自分自身が「平和=成功」に慢心し、努力を怠ってきたのだと反省しました。
パンデミックや戦争による影響を、自らを磨き成長するチャンスと捉え、自分を高める努力を続けたいと思います。